食品開発企業の選び方と進め方完全ガイド

商品/食品開発

2026.07.02

食品開発企業の選び方と進め方完全ガイド

食品開発企業の選定は、企画段階で「委託範囲」「最小ロット・リードタイム」「初期費用の内訳」を確定すると、上市遅延と隠れた追加コストを大幅に抑えられます。実務で使える比較軸とチェックリストを先に揃えることが、開発スピードと社内合意形成の最大の差になります。

  • 委託範囲を機能単位(企画・配合設計・製造・品質保証)で明記し、候補先に「その機能での実績」を証跡で提示させる
  • 最小ロット・試作回数目安・量産までのリードタイムを数値で揃えて比較し、発売希望日から逆算したマイルストーンを作る
  • 初期費用を「配合開発費」「包材版代」「検査費」「ラインテスト費」に分解して見積もらせ、見積り項目の抜け漏れを防ぐ
  • カテゴリ別の原価感(菓子・調味料・飲料・冷凍惣菜など)を内部目標原価と突き合わせ、代替原料でのコスト影響を試算する
  • 品質・衛生は認証だけでなく変更管理・クレーム対応・表示ミス時の報告フローまで文書で確認し、法規・表示関連は企画段階で品質保証と擦り合わせる
開発判断の3軸
開発判断の3軸

食品開発企業を探す前に整理したい、自社開発とOEM活用の判断軸

委託か内製かの判断は「どの機能を誰が責任持って継続するか」を先に決めることで実務上の手戻りと追加コストを最小化できる。企画段階で委託範囲・工程の責任者・試作→量産の合格基準を確定すると、候補先選定と社内承認が格段に通りやすくなります。

  • 機能ごとに「主導権(自社/委託)」「出すべき証跡(試作データ、衛生証明、ライン立会い条件)」を設計する
  • 最小ロット・試作回数・量産リードタイムを社内で目安化し、候補先に数値で提示させる
  • 見積りを配合開発費・包材版代・検査費・ラインテスト費に分解し、抜け漏れを防ぐ

商品開発機能を企画・設計・製造・品質保証で切り分ける実務判断

機能を分解すると委託範囲が明確になり、発注仕様書(SOW)と評価基準が作りやすくなります。具体的には企画(コンセプト、ターゲット、売価想定)は自社主導、配合設計は自社で試作→委託で最終処方化、製造と品質保証は委託先の管理という分担が典型です。SOWには「合格判定の試験項目(官能評価基準・理化学データ・保存試験)」を必ず盛り込み、誰が何を確認するかを明記します。落とし穴は“企画だけ自社、処方は丸投げ”の曖昧さで、これを避けるには処方確定の承認フロー(誰のサインで処方が確定するか)を決めることです。

OEMが適する案件と、具体的に確認すべき実務条件

設備依存度が高い商品や短期で市場検証したい小ロット案件はOEMが合理的です。

要点としては「候補先がそのカテゴリーで継続的な量産実績があるか」「最小ロットと試作回数の上限・下限が自社計画に合致するか」「初回立会いの範囲(ライン試作回数・立会日数)」を必ず照合することです。確認項目は業務フロー表に落とし込み、評価は合否ではなく“実務的リスクの可視化”で行うと社内合意が取りやすくなります。落とし穴は見積りの「含まれる項目」が曖昧なこと。要求仕様書で費目を分解しておくことで追加請求を防げます。

自社開発を優先すべきケースと判断基準

ブランド中核の味や独自製法、長期的な技術蓄積を狙う場合は内製優先が合理的です。

判断基準は「ブランド戦略への寄与度」「技術ノウハウの再利用可能性」「長期コスト(外注継続の累積コスト)」。短期のキャッシュ獲得だけで内製を選ぶと製造投資回収が難しくなるため、投資対効果を3年程度で見積もることを勧めます。落とし穴は“感覚的なブランド価値”の過信で、数値化(想定粗利・販売頻度・生産能力)して説明できることが必要です。

社内承認を得るための比較軸(売上機会・設備投資回避・開発スピード)

承認用の比較は感情論ではなく数値で示すと通りやすいです。

具体的には①想定初年度売上と想定粗利、②自社設備投資の回避額(または必要投資額と回収期間)、③上市までのリードタイムを並べ、各案のリスク要因(原料調達、表示リスク、品質クレーム想定)を付記した表を作ります。提案資料には、候補OEMの「証跡(過去実績のSKU例、ライン立会い写真、衛生書類)」を付け、社外に出すデータと社内で保持する承認基準を明確にしておくと承認プロセスが短くなります。なお、レストランを試作ラボとして使い、量産・衛生はメーカーが担う役割分担は実務で再現性が高く、外部試作の現場感を活かしつつ量産課題をメーカーに落とし込む際に有効です(参照:TasteLink Journalの取材記事)。

この整理ができていれば、次は候補先ごとの実務条件を比較する作業に移れます。

食品開発企業の選定は、カテゴリー適性と実務条件の確認で差がつく

OEM選定チェック表
OEM選定チェック表

候補企業の「できること」ではなく「継続的に量産できた実績」と「実務条件(ロット・リードタイム・費目)」を揃えて比較すると、上市遅延や追加コストの確率を明確に下げられます。

  • 自社商品に近いカテゴリーでの量産実績を証跡で確認する
  • 最小ロット・試作回数・量産リードタイムを数値で揃えて評価する
  • 見積りは配合開発費・包材版代・検査費・ラインテスト費に分解して比較する

最初に見るべきは「どのカテゴリーで量産実績があるか」である

メーカー名や得意ジャンルの表層情報より、候補先が自社商品と同じ「処方系・包材・温度帯」で量産実績を持っているかが重要です。実務判断基準は(1)同一または近似処方の過去SKU提示、(2)採用された包材仕様と充填方式の記録、(3)継続リピートの有無の3点。これらが揃っていれば、工場側のノウハウや微調整の蓄積が期待でき、量産立会い時のトラブル低減に寄与します。証跡はPDFの仕様書やライン写真、過去の立会報告書で受け取ると実務的です。

最小ロット・試作回数・量産までのリードタイムは必ず数値で比較する

意思決定に効くのは定性的な「対応可能」ではなく具体的な日数・数量です。要点は、候補先ごとに「最小受注量」「試作(ラボ→ライン)で必要な回数」「初回量産までの目安日数」を揃え、発売希望日から逆算してから絞り込むこと。落とし穴は「試作は追加費用で何度でも可能」という曖昧さで、試作回数上限や追加試作単価、合格基準を事前に定義しておくことで、棚上げや費用膨張を防げます。

見積りは費目を分解して比較する――含まれる/含まれないを明確にする

見積りの比較で最も多い失敗は「項目の定義が揃っていない」ことです。判断基準は「配合開発費」「包材版代」「検査費(微生物・理化学)」「ラインテスト費/立会費」の有無を横並びにすること。配合開発費に消耗試料や解析費が含まれるか、包材版代が初回のみか都度か、ライン試験は何回分か——といった細目で差が出ます。見積り表は発注前のチェックリストとしてそのまま社内稟議資料に流用できる形式にしておくと便利です。

品質・衛生は認証だけでなく、変更管理とクレーム対応体制を確認する

第三者認証(ISO/GMP等)は入口に過ぎず、実務で効くのは「原料変更時の承認フロー」「異物・微生物検出時の初動手順」「表示ミス発覚時の回収・是正フロー」です。評価ポイントは、標準作業書(SOP)の有無、異常時の報告先と所要日数、最終製品ロットの保持期間。落とし穴は認証保有=運用完璧と誤解することなので、運用実績(過去の是正事例と改善履歴)を確認して運用レベルを見極めてください。

この評価軸で候補先を並べると、実務上の差分が可視化され、優先交渉すべき相手と社内説得に使う数値資料が自ずと整います。

食品開発の流れは、生活者ニーズから量産移管までを逆算して設計する

企画段階で想定する生活者価値を起点に、試作→工程適合→表示・物流までのマイルストーンを逆算すると、上市遅延と手戻りを劇的に減らせます。

  • ターゲットの使用場面と購入トリガーを一枚の仕様書に落とす
  • 試作段階で量産再現性の合格基準(官能+工程)を定義する
  • 原料規格・表示・包材・物流条件を並行で固め、リードタイムを逆算する

企画段階で「誰に」「どの食シーンで」「何を解決するか」を一枚にする

企画の骨格を一枚にすると、以降の判断がぶれません。具体的にはターゲット属性、想定価格帯、購入場面(朝食・惣菜代替・酒のつまみ等)、主要訴求(時短・健康・高付加価値)を明記します。これがあると試作で「何を優先するか(風味・食感・保存性)」の優先順位が明確になり、製造現場や営業との合意形成が速くなります。現場ではこの一枚を基に試作判定表(評価項目と合格ライン)を作成してください。

試作は「おいしさ」と「量産再現性」を同時に評価することが必須である

ラボで成立した味がライン条件で再現できないのは最も多い手戻り原因です。味の官能評価に加え、加熱条件・充填速度・剪断など工程パラメータを変えたときの変化を最初から記録し、合格ラインを設定します。要点として、ラボ試作→小ライン→フルラインの各段階での合格基準を数値または定性的条件で揃えると、追加試作の繰り返しを避けられます。

量産移管前に原料規格・表示・包材・物流を同時に固める理由

配合が固まっても表示(アレルゲン・栄養成分)、賞味期限設定、包材の寸法・シール条件、保管温度帯が未確定だと立ち上げが止まります。実務上は配合確定と同時に原料規格書、理化学検査条件、想定賞味期限の試験スケジュール、包材の校正日程を確定しておくと、量産立会いの際に必要な変更を最小化できます。包材の選択は歩留まりや物流コストにも直結するため、営業と物流の同席承認を推奨します。

標準スケジュールを先に引くと社内承認と外部折衝の順序が明確になる

発売日から逆算したマイルストーン(試作回数・社内官能・表示確定・包材校正・ライン試作・初回量産立会い)を作成すると、出荷遅延の主要因が事前に見えます。スケジュールは最短案と余裕案を用意し、稟議には最短案とリスク要因(原料納期、検査遅延、包材納期)の影響度を添えて示すと承認が得やすくなります。

ここまで固めた設計書を基に、候補となる食品開発企業の実務条件比較に落とし込めば、優先交渉先と社内説明資料が自ずと整います。

原料・製法・法規の確認は、商品価値とリスクを同時に設計する工程です

原料・製法・表示の同時設計
原料・製法・表示の同時設計

原料の選定、製法の適合性、表示・法規の整備を同時並行で設計すれば、製造転換時の味崩れ・表示トラブル・コスト増を未然に防げます。

  • 主役素材とベース素材を分け、代替試験を設計して安定調達を担保する
  • 製法ごとの工程影響(風味・食感・賞味期限)を試作段階で検証する
  • 表示(アレルゲン・栄養・機能性)の可否を早期に品質へ照会し、包材と試験スケジュールを並行決定する

原料選定は「差別化素材」と「安定調達素材」を分けて設計する

差別化は主役素材で作り、量産の安定性はベース素材で保持するのが実務上の合理解です。

実務的には、主役素材の使用比率を限定し、代替原料での風味変化とコスト影響を事前に試験します。ここで有効なのが「調味設計で汎用性を高める」発想で、素材依存を下げることで供給リスクを吸収しやすくなります。例えば篠原シェフの考え方にあるように、調味の工夫で素材バラツキを吸収できれば、主原料の調達ブレを受け流しつつ一貫した味を維持できます(参照:TasteLink Journalの取材記事)。原価面では代替素材での試算を早期に行い、目標原価を満たす代替ラインを必ず1案以上確保してください。

製法確認では、殺菌方式・充填方式・温度帯が味と賞味期限を決める

選ぶ製法が味の持ちや食感、原価に直結するため、製法適合性こそが製造可否の最短判断基準です。

レトルト、UHT、冷凍、フリーズドライなど、工程の熱履歴やせん断(剪断)条件でタンパクの凝固や油脂の香りの飛び方が変わります。実務ではラボ試作段階から「工程変動テーブル」を作り、加熱温度・充填速度・急冷条件を変えた際の官能差を記録します。設備面の実現可能性はライン稼働時間(夜間稼働可否)や洗浄(CIP)時間、包材適合の有無も加味する必要があります。これにより、本社試作室での良好結果がラインで再現可能かを早期に見極められます。

表示設計は企画初期から品質保証と並走させるべきである

表示の可否は後出しにすると大きな手戻りになるため、配合確定と同時に表示案を作り、品質と擦り合わせてください。

表示設計ではアレルゲン、原材料名の表記、栄養成分表示の算出、添加物の名称表記などが必要です。特に複数のサプライヤーを使う場合、原料規格(ロット差)に基づく最悪ケースでの栄養値・アレルゲン有無を想定しておくと安心です。包材の表示レイアウト確定と同時に表示テキストを固め、最終的な表示チェックリストを量産前に品質がサインするフローにしておくと、流通先からの差戻しを避けられます。

健康訴求商品では製造管理と第三者認証が委託先選定の決め手になる

機能性や健康訴求を伴う商品は、通常食品以上に製造管理・検査記録・法的根拠の整備が求められるため、委託先の認証・運用実績が選定基準になります。

第三者認証(FSSC 22000など)は食品安全管理の枠組みを示す指標であり、認証有無と併せて運用履歴(是正履歴、監査結果)を確認してください。出典:FSSC 22000 スキーム。健康食品領域ではGMP準拠の有無や、外部試験(安全性・有効性)との連携体制も評価要素です。委託先に対しては、出荷ロットごとの試験体制、追跡性(トレーサビリティ)、異常時の回収手順・所要日数を文書で求め、社内の法務・品質が承認するまで契約しないルールを推奨します。

これらを並行して固めると、候補企業の技術差と運用差が定量的に比較でき、優先交渉先が明確になります。

食品開発企業を使った成功事例は、生活者インサイトより『売り場実装』まで見て学ぶ

ヒット事例から学ぶべきは「着想」ではなく、消費者の購買動機を製品仕様・包材・売り場提案まで翻訳している一貫性であり、それを分解すれば自社で再現可能な設計要件が浮かび上がります。

  • 事例を「生活者の未充足ニーズ」「技術的な解決点」「売り場での提示方法」の3つに分解して比較する
  • 業務用→家庭用転換では、味の核価値を保ちながら包装・容量・調理提案を再設計する実務手順を用意する
  • 社内提案用には「再現条件(設備・原料・コスト・スケジュール)」をワンページで示す

ヒット事例は「未充足ニーズ」「技術的解決」「売り場提案」の観点で分解すると再現可能な要素が見える

成功商品は消費者の具体的な困りごとを解決し、技術でそれを実現し、売り場でその価値が直感的に伝わる構造を持っています。

実務では、まず「どの不満を解消したのか」を定義(例:時短のための温め直し不要、手間を減らす一工程、満足感を保つ少量高品質など)し、次にその不満を解決するために工場側で何が必要だったか(温度条件、添加物の使い方、包材の選定、工程の順序変更)を照合します。最後に、売り場でどう伝えたか(パッケージコピー、訴求写真、陳列提案、試食)を検証すると、企画段階で押さえるべき仕様が明示されます。事例集を使って同じフレームで複数案件を比較すれば、社内で議論すべき共通項と現場ごとの差分が数値化できます。出典:J-Net21 あの人気商品はこうして開発された「食品編」

業務用発想/現場発想を家庭用商品に落とし込むと再現性の高いヒットが生まれる

業務用で確立された「価値(調理の短縮、再現性、安定供給)」を、家庭の使われ方に合わせて仕様変換するプロセスが再現性のある方法です。

具体的な判断基準は2点だけで十分です。1つ目は「価値の本質」を守ること(例:外食の旨味を家庭で短時間に出す=旨味強化の配合・加熱工程の検討)。2つ目は「使用環境の差」を埋めること(家庭のレンジ温度、保存環境、食卓動線に合わせた容器や容量)。実務では業務用レシピをラボで再現した後、家庭での代表的な使用条件(レンジ、トースター、電子圧力調理)での官能比較を行い、その結果に基づき配合と包材を調整します。これにより、外食で評価される“味の核”を損なわずに家庭市場での採用確率を高められます。

売り場で勝つ商品は「使い方が一目で伝わる」設計を持っている

売り場での購入判断は瞬間的なので、商品は「何をどう使うか」をパッケージで即伝達できる必要があります。

実務で使えるチェックは3点。表面コピーで「場面」と「効果」が伝わること、写真やアイコンで調理行為が一目で分かること、容量と単価が購買心理に合致していることです。たとえば時短惣菜なら「調理時間○分」「そのまま食卓へ」のように、消費者が得られる時間効果を明示します。また、売場別(量販・コンビニ・EC)でのパッケージ訴求を分けると導入時の陳列採用率が上がります。売り場での成功は味の良さだけでなく、購買の“障壁を下げる”設計が決め手です。

社内提案用に事例を「自社で再現できる条件」に翻訳して示すと説得力が増す

事例をそのまま持ち込んでも承認は得られませんが、再現性のある条件を示すと動きが早くなります。

提案ワンページは次の構成で作ってください:目標の生活者インサイト/製品仕様(配合のコア、主要原料、想定製法)/必要設備・工程(ライン能力、加熱方式、充填速度)/初期費用の内訳(配合開発、包材版代、ライン試験)/リードタイム(ラボ試作→ライン試作→量産)/主要リスクと対策。このフォーマットに事例の数値や工程差を当てはめて比較すれば、経営や製造からの「できる/できない」が判定しやすくなります。提示する際は、必ず代替案(例えば代替原料1案、短期検証用の小ロットスキーム)を付けると承認確率が高まります。

これらを踏まえ、候補先との交渉では「売り場で何を伝えるか」を起点に仕様と工程を逆算して示すと実務のズレが減り、立ち上げの成功率が上がります。

発売後の評価まで設計すると、食品開発企業の活用は単発で終わらない

発売後の検証と改良設計
発売後の検証と改良設計

発売前に評価設計(KPI・測定方法・改良トリガー)を固めておくと、初回導入で得たデータを根拠に改良・シリーズ化を回せるようになり、委託先との関係が単発取引から継続的な共同改善へ移行します。

  • 追う指標と測定手段(データソース・頻度・フォーマット)を事前に定義する
  • 小ロット検証はコントロール群を設け、販促条件を揃えて比較可能にする
  • 委託契約に改良回数・費用分担・バージョン管理のルールを入れておく

発売前に決めるべきKPIと具体的な測定方法

売上だけで判断せず、配荷・初回消化・リピート兆候・粗利の4指標を共通定義にしておくことが実務上の最低ラインです。

運用面では「誰が」「どのデータを」「いつの頻度で」報告するかを明文化してください。配荷は店舗ごとの供給数、初回消化は導入後4週間の売れ残り率、リピートはECの再購入率またはPOSでの再購入率、粗利は想定売価から実行原価を差し引いた値を用います。データはPOS・流通レポート・ECログを組み合わせ、週次のダッシュボードと月次の深掘りレポートを用意すると意思決定が速くなります。

初期検証は小さく早く行うが、比較可能な設計にする

小ロット検証でも意味のある結論を出すには、比較群と販促条件を揃えることが最重要です。

限定地域やチャネルを選び、同期間に類似店舗でコントロール群を設けます。評価期間はカテゴリ特性に合わせ(惣菜系は約4週間、常温菓子は8週間目安)、販促実施の有無は事前に合わせる。販売がばらつく場合は販促強度や陳列位置を調整変数として分析に組み込み、改善すべき箇所(味・容量・価格・訴求)をデータ主導で特定します。

カニバリは単品減少ではなくブランド粗利で判断する

既存SKUの売上が落ちてもブランド全体の粗利が上がれば成功と判断できるケースがあるため、短絡的にカニバリを否定しない評価が必要です。

手順は、導入前後で既存品売上と新商品の売上を合算し、総粗利を算出すること。必要なら価格差・販促差・店舗入替えの影響を補正し、初期の在庫圧縮や販促費を考慮した回収期間を示します。経営に提示する際は「短期の既存品流出」「中長期の粗利改善見込み」をセットで示すと理解が得られやすいです。

委託先とは改良ループを前提にした契約にする

委託先選定は立ち上げ能力だけでなく、改良に伴走できるかを評価軸に加えると長期的なコストが下がります。

契約書やSOWには改良試作回数(例:初期3回+追加条件)、改良費用の按分ルール、処方バージョン管理、改良トリガーとなるKPI閾値を明記します。改良の合意フロー(誰が承認するか、評価データ形式)は定めておき、想定外の仕様変更に備えた短期検証用の小ロットスキームを組み込むと交渉がスムーズです。

これらを設計しておくと、発売後に得られるデータが次の改良・販路拡大の具体案に直結します。

よくあるQ&A

OEM候補を比較する際、実務で必ず揃えておくべき評価項目は何ですか?
まず揃えるべきは最小受注量(MOQ)、試作回数と試作単価、初回量産までのリードタイムの3点です。補足:これらを候補先ごとに表形式で並べ、さらに「包材対応可否」「保管温度帯」「過去の類似SKU実績」「第三者認証の有無」を合わせて比較すると、実務上の隠れコストやリスクが見える化できます。
最小ロット(MOQ)は業態別にどのくらいを目安に考えればよいですか?
目安はカテゴリーと製法で大きく変わるため、同一カテゴリーの類似SKU実績をもとに判断してください。補足:飲料は充填設備の都合でロットが大きくなりやすく、調味料や乾燥菓子は比較的小ロットで対応する工場もあります。実務的にはMOQだけで判断せず、MOQに伴う物流コストと在庫リスクを加味した総コストで比較することが重要です。
見積りでよく抜け落ちる費目は何ですか?
見積りで漏れやすいのは包材版代、ライン試験/立会費、外部検査費(微生物・理化学)、試作での消耗原料費です。補足:見積りは「配合開発費」「包材版代」「検査費」「ラインテスト費」に分解して候補先に提示させ、各費目の範囲(含まれるか・別途請求か)を明示させると、後からの追加請求を避けられます。参考:食品OEMの費用相場や項目解説。出典:食品開発OEM.jp(費用・相場ガイド)
典型的な商品化スケジュール(試作から量産まで)はどの程度見積もれば安全ですか?
カテゴリや設備次第だが、企画確定から量産出荷までの現実的なレンジは2〜6か月程度と考えるのが無難です。補足:目安としてラボ試作2〜4週間、小ライン試作2〜6週間、包材校正・表示確定4〜8週間、量産立会い2〜4週間を想定して逆算します。短縮案と余裕案の二本立てで稟議に出すと承認が得やすくなります。参考:OEM企画の一般プロセス説明。出典:食品開発OEM.jp(OEM企画の4ステップ)
機能性表示や特定保健用食品(トクホ)の届出・許可に必要な期間はどのくらいですか?
機能性表示食品の届出は書類の準備が整っていれば届出後に公開されますが、表示に関する確認や特例で公表準備期間が必要になるケースがあるため、販売日の60営業日前を目安に準備するのが安全です。補足:特定保健用食品(トクホ)の場合、審査には更に時間を要し、標準処理期間などの規定があるため、事前に消費者庁のガイドラインを確認し、必要試験や資料の準備日数を見積もってください。出典:消費者庁(機能性表示食品の制度)
OEM工場の第三者認証(FSSC 22000等)は発注判断でどのくらい重視すべきですか?
第三者認証は選定の重要なスコア要素だが、認証の有無だけで決めず監査の是正履歴や運用実績も評価してください。補足:FSSC 22000やISO 22000は食品安全マネジメントの基盤を示しますが、実務上は最新監査結果、異常発生時の対応記録、トレーサビリティ運用状況などを確認して「運用レベル」を評価することが必要です。出典:FSSC 22000 スキーム
発売後の初期KPI(配荷・消化・リピート等)はどう設計すればよいですか?
配荷・初回消化率・リピート率・粗利を指標化し、データの取得方法と報告頻度を先に決めておくのが実務上の鉄則です。補足:配荷は店舗ごとの配本数、初回消化は導入後4週間の売上÷配荷、リピートは顧客ベースの再購入率、粗利は売価−実行原価で算出します。週次でダッシュボードにまとめ、目標未達時の改良トリガー(どの閾値で改良を要求するか)を契約や稟議資料に入れておくと対応がスピード化します。
社内向けに事例を提示するとき、承認されやすい形にするには何を明示すればよいですか?
生活者インサイト、コア仕様(配合の核)、想定製法、初期費用内訳、リードタイム、主要リスクをワンページで示すと承認が得やすいです。補足:さらに代替案(代替原料1案や小ロット検証スキーム)と改良ループの費用負担ルールを添えると、製造・品質・経営の合意が取りやすくなります。参考事例の分解にはJ-Net21の開発事例が使えます。出典:J-Net21(人気商品開発の事例集)

「おいしい」を「売れる」へ。食のプロの知見を、商品開発に。

TasteLinkの「ChefDeck」は、ミシュランシェフをはじめとする食のプロの知見とAIを組み合わせ、商品アイデアからレシピ・仕様・原価のたたき、販促案までの一次案を数分で提案するサービスです。「差別化が難しい」「試作がなかなか進まない」「社内を説得する根拠が足りない」——そんな商品企画・開発の現場を、根拠つきの開発資料でうしろから支えます。