
成分表示の計算方法を実務で使える形で整理
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2026.07.04
成分表示の計算方法を実務で使える形で整理
成分表示の計算は、企画段階で表示の根拠(分析/参照/計算)を確定し、原料按分→歩留まり補正→丸めルールをワークフロー化することで、開発コストと版替えリスクを抑えられます。現場で即実行できるチェックを最初に設計しておけば、試作から量産までの手戻りを大幅に削減できます。
- 試作レシピごとに数値入りワークシートを作成し、原料按分→合算→100g換算を実測値で検証する(惣菜・焼成菓子・ソースの3例を用いる)
- 分析に切り替える判断基準を設計する(例:含水変動が大きい、吸油工程がある、製造バッチ差が想定される等の条件を明記する)
- 工程別の歩留まり補正ルールを定め、焼成・揚げ・煮詰めごとの補正式と代表値を社内マスターに登録する
- 丸め・表示桁数・表示単位の統一ルールを作り、ラベル作成時に自動変換するExcelテンプレを準備する
- 監査対応のために参照成分表の版、原料規格書、試作仕上がり重量、計算シートを保存するフォルダ構成と保管期間を決める
成分表示の計算は、まず“何を根拠に表示するか”を決める

表示の根拠(分析/公的成分表の参照/原料按分による計算)を企画段階で確定すると、品質保証や法務の差戻しが減り、試作→量産の手戻りを抑えられます。
- 製品ごとに「分析か参照か計算か」を決め、決定理由と証跡の保存方法を設計する
- 参照する成分表の版・日付と原料規格の出典を明記して社内原料マスターに登録する
- 含水変動や吸油など製造変動がある工程は分析採用のトリガーとして明文化する
成分表示の値は『分析』『参照』『計算』の3方式で整理すると実務判断しやすい
どの方式を採るかで必要な工数と証跡の量が変わるため、製品戦略に応じたルールを先に作ることが実務的に効く。
「計算」:公的成分表や原料規格値で迅速に試算する。企画・試作段階のスクリーニングに適する。
「参照」:原料メーカーや社内マスターの表示値を採用する場面は、複合原料やサプライヤー信頼性が高い場合に有効。
「分析」:販売表示に差異が致命的な重要SKUや、工程変動で数値の再現性が疑わしい場合に確定値として用いる。
実務上の判断基準は「その数値が販売・規格に与える影響の大きさ」です。試作段階で社内合意すべきは、誰が最終責任を持つか(開発か品質保証か外部検査か)と、各方式で必要な証跡です。レストランをラボとして試作検証を行い、量産・衛生管理をメーカーが担うという協業モデルは、この責任分担を明確にする実務設計として有効です(出典:TasteLink Journalの取材記事)。
公的成分表を起点にする設計が、社内説明と監査対応の両面で強い
公的な成分表を基準にすると、基準の透明性が確保され監査時の説明負担が下がる。
具体的には、参照元(例:日本食品標準成分表)と版・最終更新日を計算シートのヘッダに必ず記載すること。公的データを出発点にすれば、原料に欠測値がある場合でも「近似選定ルール」を社内規定として示せます。出典:食品成分データベース
運用上は、原料が成分表に無ければ近似素材の選定理由(同カテゴリ/成分類似性/メーカー提示値)を記録し、将来的に該当原料が追加された場合に速やかに差替えできる仕組みを作ると現場負荷が減ります。
分析を選ぶべき商品は、配合より製造変動の影響が大きいケースです
揚げ・乾燥・発酵などで仕上がり重量や成分が工程ごとに変わる製品は、初回ロットで分析する判断を優先すべきです。
実務的なフローは、まず計算で試算し、試作実測(仕上がり重量や吸油量)と計算値の差が見られたら分析を発注する運用です。試作での実測と計算の乖離が発生した時点が、分析発注の最も分かりやすいトリガーになります。分析はコストと時間がかかるため、重要SKUに絞って初回確認+定期サンプリングの設計が現実的です。
製造側との合意としては、バッチごとの仕上がり重量と代表ロットの保存(試作ロット含む)を義務化しておくと、後の分析解釈が容易になります。
企画段階では“表示を作るための計算”と“栄養設計のための計算”を分けて考える
表示用の数値は法令対応を満たすこと、栄養設計の数値は商品価値(減塩や高たんぱく)を検討することに主眼を置くため、用途を分けると意思決定が速くなります。
実務では、まず短時間で回せる「表示試算シート」を作り、並行して商品価値検討用の「栄養設計シート」を用意します。表示試算は参照または計算で迅速に決め、栄養設計は複数案の比較や原価影響を評価してから最終決定に進めます。表示確定に向けては、最終ラベル用の計算シートを別途用意し、丸め規則や表示単位を反映した上で品質保証と擦り合わせを行う運用が有効です。
ここまで定めた根拠を共有しておけば、原料按分や歩留まり補正に入った際の判断がぶれにくくなります。
成分表示の計算手順は、原料按分から仕上がり重量換算までで決まる

原料ごとに成分量を按分してバッチ合算し、実測の仕上がり重量で換算する順序を守れば、表示値の再現性と説明責任が確保できます。
- 原料の成分値と出典(成分表版/原料規格)をヘッダに記録して按分計算を行う
- バッチでの総成分量を算出し、実測の仕上がり重量で100g当たり・1食当たりへ換算する
- 加熱・吸油・可食部などの歩留まり補正は計算前に定義しておく
基本フローは『原料成分値の取得→配合量按分→合算→製品基準量へ換算』です
まず原料毎にバッチ中に含まれる成分総量を算出し、それを仕上がり重量で割って表示単位に換算する手順が基本です。具体的には、各原料iについて「原料使用量(g)×成分値(g/100g)÷100」でバッチ中の該当成分量(g)を出し、全原料を合算して総成分量を求めます。表示を100g当たりにする場合は「総成分量(g)÷製品の仕上がり総重量(g)×100」を適用します。製品が1食表示なら最終に1食の平均重量で割るだけです。工程上の増減(調味液の添加、吸油等)は合算前に取り込むか、仕上がり重量で反映するかを一貫して決めておくことが大切です。
100g当たり計算と1食当たり計算は、売り場訴求と設計思想が異なる
100g当たりは製品の原材料比を比較する指標、1食当たりは消費者の摂取実態を示す指標であり、用途に応じて基準を決める必要があります。
調味料や素材は100g当たり表記が分かりやすく、惣菜や弁当類は1食当たり表記が購買決定に直結します。企画段階で表示単位を決めると、原料設計や目標数値(例:1食当たり塩分0.8g以下)を明確にでき、試作指示や原料選定がぶれません。競合比較を行う際は、表示単位を揃えないと不適切な比較になるため、データ収集時点で単位統一のルールを定めておくべきです。
炭水化物と食塩相当量は計算方法の落とし穴が多い
炭水化物は差し引き法で算出するのが一般的で、食塩相当量はナトリウムから換算するため、扱いを誤ると表示がずれます。
炭水化物は「100g −(たんぱく質+脂質+水分+灰分)」で算出する方法が標準的です。食塩相当量はナトリウム(mg)×2.54÷1000で換算します。出典:オージーフーズ(栄養成分表示の計算方法)
誤りの多いポイントは「食物繊維の扱い」と「灰分・水分の測定値の有無」です。成分表に水分や灰分が欠けている原料を使うと差し引き計算ができず、近似値採用の根拠を残す必要があります。また、糖質と利用可能炭水化物の定義差も確認しておくと、後工程で表示修正が減ります。
実務ワークスルー——惣菜・焼成菓子・ソースの簡潔な数値例
実際の判定を速めるため、各カテゴリの最小単位で計算の流れを示します(単位はg)。
- 惣菜(煮物):鶏もも200g(たんぱく質23g/100g)+人参100g(炭水化物9g/100g)+だし50g(ナトリウム200mg/100g)→ 鶏:200×23/100=46gたんぱく質、合計仕上がり重量(煮上がり)=330gと実測→ 100g当たりたんぱく質=46÷330×100≈13.9g
- 焼成菓子(クッキー):小麦粉150g(炭水化物76g/100g)+バター100g(脂質81g/100g)+砂糖50g(炭水化物100g/100g)→ 炭水化物総量=150×76/100 + 50×100/100 = 114g+50g=164g、焼成後の総重量(減水後)=280g→ 100g当たり炭水化物=164÷280×100≈58.6g
- ソース(とろみあり):トマトペースト300g(炭水化物6g/100g)+砂糖50g(炭水化物100g/100g)+食塩10g(ナトリウムおよそ3900mg/100gと仮定)→ ナトリウム総量は原料規格で確認し、1包装(200g)当たり食塩相当量を算出して表示する
上記は省略した要素(可食部、歩留まり補正、原料の成分表欠測項目)を現場でどう扱うかを示す設計図にもなります。ここまで按分と換算の流れを整えれば、歩留まりや複合原料の処理に移る準備が整います。
実務で差が出るのは、歩留まりと複合原料の扱いです

歩留まり(加熱・吸油・蒸発による重量変化)と複合原料の扱いを先に定義すれば、計算の再現性が高まり、品質保証や法務への説明負担が減ります。
- 主要工程ごとの代表歩留まり率を定め、試作ごとに実測値を記録して社内マスターに反映する
- 複合原料は「分解して算出する」か「メーカー提示値を採用する」かを品目ごとに決め、根拠を保存する
- 成分表に無い原料は近似選定基準を明文化し、差替えトリガー(成分表収載時など)を設定する
歩留まりを反映しないと、100g当たり表示は実態からずれやすい
表示は最終製品の仕上がり重量を基準にすべきで、配合時の原料総重量で換算すると過度な乖離を生みます。焼成での水分損失や揚げでの油吸収は、最終重量に直接的に影響するため、計算の分母は必ず「実測仕上がり総重量」を使ってください。実務判断では、試作の都度に代表ロットの仕上がり重量を採取し、計算シートに記録する運用が最も手戻りを防ぎます。
製造面の実現可能性としては、ラインでの重さ測定・ロット保存のための工程調整と若干のコスト増が必要ですが、表示差し替えやクレーム対応のコストを考えれば初期投資として合理的です。
工程別の補正は、焼成・揚げ・煮詰めで分けて考えるのが実務的です
工程の性質ごとに補正式を分けると、補正値の妥当性が判断しやすくなります。例えば焼成は減水率(%)で補正、揚げは吸油率(g油/100g原料)を測り、煮詰めは濃縮率で扱うと実測との整合が取りやすいです。
試作での実測と補正式の乖離が5%を超えたら補正式を見直すという運用ルールを設けると、いつ工程条件を再検証すべきかが明確になります。現場では代表ロット数を確保するための製造スケジュール調整が必要で、原価面では歩留まり改善が即コスト低減に直結します。
複合原料は“分解して計算するか、メーカー規格値を採用するか”を先に決める
複合原料(たれ、フィリング、プレミックス等)は分解可能であれば原材料単位で按分した方が精度は高いが、情報入手性や工数が課題です。メーカー規格値を採用する場合は、規格書の版・作成日・測定条件を必ず保存してください。
判断基準としては、「分解して計算するコスト<表示差分による販売影響」のときに分解を選ぶとよい。営業や販促訴求で数値が重要なSKU(塩分訴求、たんぱく質訴求等)は分解優先を検討してください。
共同開発モデルでは、試作・概念検証を店舗側(ラボ)で行い、メーカーが量産・規格化を担う形にすると複合原料の情報連携がスムーズになります(出典:TasteLink Journalの取材記事)。
成分表にない原料は、近似素材の選び方と記録の残し方まで設計する
成分表未収載の原料は、近似素材を選んで仮置きすることが多いが、選定基準を明文化しておかないと監査や原料切替時に説明できません。選定軸は「食品分類の一致」「成分組成の類似性」「原料供給者の提示値の有無」の順にすると運用しやすいです。
選んだ近似値とその根拠(参照した成分表名やメーカー提示値)を計算シートに残し、該当原料が公的成分表に追加されたりメーカーが新規成分表を提示した場合は差替えをトリガーする運用にしてください。これにより後からの数値差の説明が明確になり、製販連携も速やかになります。
ここまで歩留まりと複合原料の取り扱いを固めておけば、丸めや表示単位のルール整備へと自然に移行できます。
ラベルに落とし込む段階では、丸め・表示単位・証跡管理が重要になる

計算値をそのまま使うのではなく、丸めルール・表示単位・証跡の取り方を事前に定めて運用すれば、ラベル作成時の差戻しや法務・品質の確認作業を減らせます。
- 表示に用いる丸めルールと表示単位をカテゴリ別に定め、計算シートで自動反映する
- 参照成分表の版や原料規格の出典を計算ヘッダに必ず記録する
- 監査で使える証跡(参照版・原料規格・試作重量・計算履歴)をフォーマット化して保存する
表示値は、計算値そのものではなく“表示ルールに沿った数値”に変換して使う
消費者パッケージに印刷する数値は、社内で合意した桁数・丸め方に従って変換された値であるべきです。例えばエネルギーは小数を切り捨てて整数表示にする、塩分は小数第2位を四捨五入して表示する等、カテゴリごとのルールを決めておくと、ラベル作成時の二重チェックが簡潔になります。
実務で有効な運用は、計算シートに丸めロジックを組み込み、ラベル出力用の専用セルを持つことです。これにより担当者差でのばらつきを防ぎ、品質保証への照会も短時間で済みます。表示単位(100g当たり/1食当たり/1包装当たり)は商品特性と訴求軸に合わせて事前決定し、計算フローの最終段階で自動変換してください。
社内で丸めルールを統一すると、ブランド横断の表示品質が安定する
丸めや表示単位が担当者やカテゴリで異なると、同一企業内で競合する商品間の比較や営業資料作成時に矛盾が生じます。統一ルールはガイドラインとExcelテンプレのセットで配布し、運用担当を決めておくと管理が楽になります。
実務的には、カテゴリ別の「表示ルール表」を作り、商品企画段階でターゲット表示(例:低塩訴求なら食塩相当量の桁数を厳格に)を決定するワークフローを組みます。販売チャネルごとに求められる表示要件が異なる場合は、チャネル別の出力テンプレを用意すると作業ミスが減ります。
保存すべき証跡は、参照版・原料規格書・試作重量・計算シートの4点が基本です
表示に関する監査や社内チェックの多数は「どのデータを根拠にしたか」が問われます。参照した成分表の版(URL/取得日)、原料規格書(版・ロット)、試作時の仕上がり重量・保存サンプル、最終計算シート(変更履歴含む)を必ず揃えておくと説明がスムーズです。
実務での管理方法としては、ファイル名に「製品コード_版_日付」を付け、クラウドの読み取り専用フォルダに保管してアクセス権を制御します。監査対応用チェックリストを計算テンプレに紐づけておくと、出荷前チェックの合格/不合格判定が定量化できます。参照成分表の基準データに関しては公的DBの版を明記しておくと信頼性が高まります。出典:食品成分データベース
これらの運用が定着すれば、歩留まり補正や複合原料処理の細部に集中でき、製品ごとの表示精度を高められます。
商品開発に活かすなら、栄養設計と販促設計を同時に進める
表示値は単なる法対応ではなく、企画の差別化軸になるため、栄養設計と販促設計を並行させて数値目標とメッセージを同時確定すると企画通過率と営業訴求力が上がります。
- 訴求軸(減塩・高たんぱく・低カロリー等)ごとに表示目標値と容認誤差を定め、試作で到達可能性を評価する
- 競合比較は必ず同一表示単位で揃え、差が出た要因(配合・歩留まり・丸め)を一枚の表で説明できるようにする
- 営業・販促用の言語化(なぜその数値か)を技術側が1〜2文で説明できるように準備する
成分表示の試算は、減塩・高たんぱく・低カロリー設計の初期判断に使える
試作前の計算試算で複数案を比較すれば、原料変更や配合比の優先順位が絞れ、試作回数と原価の無駄を減らせます。
実務的には、訴求別に「目標値」「想定原料」「想定コスト影響」を並べたリストを作ると良いです。例えば減塩訴求なら食塩相当量の目標を明示し、代替調味料を入れた場合の塩分・風味・原価トレードオフを数値で比較します。社内承認時は試算表をそのまま企画書の根拠欄に貼れば説得力が出ます。
競合比較では、同じ表示単位にそろえて見ると設計の差が見えやすい
単位が違うと比較結果が誤解されるため、データ収集段階で表示単位を統一してから分析する運用が必須です。
収集フォーマットは「製品名/表示単位(100g or 1食)/主要表示値/パッケージ訴求」の最低列にし、単位が異なる場合は換算ルールを明記しておくと作業が速くなります。比較表は営業資料にも使えるため、数値の根拠(参照成分表版やメーカー表示の出典)を同時に示すと信頼性が高まります。
営業提案では、表示値そのものより“なぜその数値を実現できたか”が効く
バイヤーやチャネル担当者は数値だけでなく、その数値を支える原料・製法・歩留まり改善などの背景説明に価値を感じます。
シェフや技術が「なぜその数値か」を一言で説明できることが営業の説得力を左右するため、1〜2文の“説明テンプレ”(例:「低塩化はA調味料でうま味を補い、塩分を30%削減」)を用意してください。こうした説明はシェフ監修や現場の工夫を示すストーリーにも転用できます。実際、商品化の協業モデルでは試作・概念検証をラボ側が行い、メーカーが量産化・規格化を担うことで表示根拠の整理がスムーズになるケースが多く報告されています(出典:TasteLink Journalの取材記事)。
売り場訴求を見据えるなら、表示項目とパッケージメッセージを先に連動させる
訴求項目を先に決めずに表示を後付けすると、パッケージ文言と数値が乖離して説得力を失いやすいです。
実務では、企画段階で「訴求ワード」「対応する表示項目(例:低塩→食塩相当量)」「目標数値」「支持する裏付け(原料・工程)」をワンページで整理してください。売り場で差別化したい場合、その訴求が棚割や価格帯で競合とぶつかるかを営業と確認し、表示目標の妥当性を最終決定する運用が現場で効きます。
表示の数値を企画価値に変えるための次の作業は、具体的な試作と表示用テンプレの運用確認です。
計算ツールとテンプレートは、使い分けると開発スピードが上がる
公的DBや市区町村ツールで素早く試算し、社内Excelテンプレで再現性を担保する運用を組めば、試作回数と承認時間を削減できます。
- 公的データは基準確認、自治体/民間ツールは試算の初動、社内テンプレは管理と証跡保存に使い分ける
- 社内テンプレは『原料マスター/配合入力/歩留まり補正/表示出力』を明確に分離する
- ツール別の使途と出典(版)を計算ヘッダに残し、監査時に即提示できる形にする
公的データベースは、原料の基準値確認に最も使いやすい起点です
公的成分表を出発点にすれば原料値の透明性と説明力が高まるため、すべての計算の“基準版”を明示しておくことが望ましい。出典:食品成分データベース
実務では、計算シートのヘッダに「参照DB名・版・取得日」を記載し、原料マスターには参照元リンクを貼る運用にしてください。これにより原料更新時の差替え作業が追跡可能になり、品質保証や法務への説明が短時間で済みます。
自治体・民間ツールは、試算や比較の初動を早める用途で使うと効率的です
大阪市の栄養算やEatreat、民間の計算サイトは手早い試算と複数案の比較に向いています。
ただし公的DBとの差や丸め規則の違いがあり得るため、試算結果は「仮の判断材料」として扱い、最終表示は社内テンプレで再計算して根拠を統一してください。営業や企画向けの短期比較には非常に有用ですが、最終ラベルには出典の差を明示する必要があります。
社内用Excelは『原料マスター』『配合入力』『歩留まり』『表示出力』を分けると運用しやすい
テンプレを機能別に分けると、原料更新や配合差替え時の再計算コストが下がります。
要点は、表示出力シートに丸めロジックと出典ヘッダを組み込み、クリック一つでラベル向け数値が出る仕組みにすることです。これにより担当者が変わっても同じ数値が出るため、社内承認が速まり監査対応も容易になります。テンプレはバージョン管理を行い、フォーマット変更時は影響製品の再計算を自動化してください。
最終的には“誰が計算しても同じ数値になる仕組み”を作るのが目的です
ツールは目的別に使い分けつつ、最終的に出す数値のロジックを一本化することが重要です。
運用面では、計算フロー図とチェックリストを用意し、開発→品質→表示の各担当が同じ手順で検証できるように整備してください。これが整えば、試作段階の判断が速くなり、ラベル確定までの時間を短縮できます。
よくあるQ&A
- 計算で出した数値と分析結果がずれたらどちらを採用すべきですか
- 計算値は企画の目安、分析値は最終表示の根拠とするのが実務上の基本です。 計算は公的成分表や原料規格値で迅速に試算する目的に有効ですが、揚げ物・乾燥品・発酵品など工程変動が大きい重要SKUや、消費者表示に直接影響する訴求(例:低塩・高たんぱく)は分析で確定してください。分析コストが高いため、試作実測と計算の乖離が事前に設定したトリガー(例:±5%)を超えた場合に分析を発注する運用が現場では現実的です。
- 炭水化物・糖質・食塩相当量は具体的にどう計算すればよいですか
- 炭水化物は差し引き法(100g −〔たんぱく質+脂質+水分+灰分〕)、糖質は炭水化物−食物繊維、食塩相当量はナトリウム(mg)×2.54÷1000で算出するのが一般的です。 これらの算式は表示基準に沿った計算慣行であり、成分表の欠測項目がある場合は近似値採用の根拠を必ず残してください。出典:オージーフーズ(栄養成分表示に関係する計算方法)
- 成分表に載っていない原料を使うときはどう扱えばよいですか
- 近似素材を選んで仮置きし、その選定根拠を記録するのが実務対応です。 選定軸は(1)食品分類の一致、(2)成分組成の類似性、(3)原料供給者の提示値の有無の順で判断し、参照した成分表名・版・取得日、選定理由を計算シートに残します。該当原料が公的成分表に収載された場合は差替えトリガーを設けて更新履歴を管理してください。
- 歩留まり(加熱後の重量変化)はどの段階で実測して計算に反映すべきですか
- 試作ごとに代表ロットの仕上がり重量を実測し、その実測値を最終換算の分母に使うことが必須です。 具体運用としては試作段階で「原料投入時重量」と「仕上がり重量」を必ず記録し、計算テンプレの歩留まりセルに反映。工程別の代表補正値(焼成の減水率、揚げの吸油率など)を社内マスター化し、実測との乖離が一定値(例:5%)を超えたら工程再検討あるいは分析を検討するルールを設けると手戻りを減らせます。
- ラベルの丸めや表示桁数はどのように決めればよいですか
- 丸め方・表示桁数は食品表示基準や消費者庁のガイドラインを踏まえ、社内でカテゴリ別にルールを定めて統一する必要があります。 表示に関する具体的な丸め規則や表示単位の扱いなどは消費者庁のガイドラインを参照し、計算シートに丸めロジックを組み込むとラベル出力時の差戻しが減ります。出典:消費者庁(栄養成分表示を表示される方へ)
- 糖アルコールや難消化性成分の熱量係数はどう扱えばよいですか
- 糖アルコールや難消化性糖質は一般的な炭水化物係数と異なる換算係数が規定されているため、該当成分を含む場合は専用の換算係数で熱量計算してください。 日本の成分表や関連資料は糖アルコールや利用可能炭水化物の算定法を示しているため、該当原料がある場合は公的データの該当ページを参照し、換算係数と測定法を確認のうえ計算に組み込んでください。出典:食品成分データベース(糖類・糖アルコール関連)
- 複合原料(たれ・フィリング等)は分解すべきか、メーカー表示を使うべきか
- 分解計算は精度が高いが工数と情報入手が必要で、販促訴求で数値が重要なSKUは分解を優先するのが実務的です。 判断基準は「分解に要するコストと工数<表示数値差が売上や販促に与える影響」の比較です。メーカー提示の成分値を採用する場合は規格書の版・測定条件を保存し、将来の差替えに備えて根拠を残してください。
- 監査や法令確認のためにどの証跡を保存すればよいですか
- 表示根拠として参照成分表の版・原料規格書・試作仕上がり重量・計算シート(変更履歴含む)の4点を基本的に保存してください。 実務運用ではファイル名に製品コード・版・日付を付け、クラウドの読み取り専用フォルダで保管、アクセス権を制御すると監査対応が迅速になります。加えて代表ロットの保存サンプルや分析結果(外部分析委託がある場合)は別フォルダで管理すると信頼性が高まります。
- どのツールをいつ使えばよいですか(公的DB、自治体ツール、民間サイト、社内Excel)
- 公的DBは基準値確認、自治体/民間ツールはスピード試算、社内Excelは管理と証跡保存に使い分けるのが実務上の合理解です。 具体的には、公的DBで原料の基準値を確認したうえで民間・自治体ツールで複数案を迅速に比較し、最終は社内テンプレで丸めロジックと出典ヘッダを付けて表示値を確定してください。出典(原料基準):食品成分データベース、試算の初動例:大阪市の栄養算など(自治体ツールとして参考)。
「おいしい」を「売れる」へ。食のプロの知見を、商品開発に。
TasteLinkの「ChefDeck」は、ミシュランシェフをはじめとする食のプロの知見とAIを組み合わせ、商品アイデアからレシピ・仕様・原価のたたき、販促案までの一次案を数分で提案するサービスです。「差別化が難しい」「試作がなかなか進まない」「社内を説得する根拠が足りない」——そんな商品企画・開発の現場を、根拠つきの開発資料でうしろから支えます。